医療センター外来に異動となり、診療所時代から知っている患者さんと10数年ぶりに再会しました。みなさん大分高齢になっていましたが頑張って生きていらっしゃいます。
「お久しぶりです☺️」と挨拶をすると、びっくりして「看護婦さーん? いやー居だんだ! 辞めだがと思ったよ」と何回となく声を掛けられます。
ある女性は「看護婦さんだが? えっ? 本当に看護婦さんだが?」と私から目を離しません。忘れないでいてくれたんですね・・・・😊
私は ”誰この人? わかんない💦” あまりに年老いて誰方なのか分かりませんが、そこは器量でニッコリ返します。そして時間が経って”あ〜”と納得するのでした✌️
つい、若い頃を思い出しました。
子育てや仕事に夢中になっていた頃。さらに夜勤明けも午後まで仕事をしていた頃。二日ぶりに帰宅すると3ヶ月の我が子が大きく成長していた事。バイタリティーに働いた頃を思い出します。
今だったら労基に引っかかりますが、昔はそれが普通だったんです。いや〜本当に若さですね!今となって同じような生活を考えるとムリムリ!
再会した患者さん達は私が30代の頃だったとすると、大体が50代で漁師だったり養豚・農業などバリバリ働いていました。もう皆さんは80歳を超えています。
懐かしさに会話は弾みますが、 ”待て待て・・これから採血があるんだ‥只今仕事中”
仕事モードに切り替え軽やかにその場を去ります👋
高齢になっている患者さんを見ていると自分も歳をとっている事を痛感し、また歳をとる事による様々な弊害や問題を感じます。
ある日、高齢のご夫婦が受診されました。
旦那さんに付き添われ奥様が受診されたのですが、足の指が化膿し爪が浮いて剥がれそうな状態なので爪を抜く処置がされました。診察台に横になっている間に何回も自分がどこにいるのか聞いてきます。認知症が進んでいる状況で自分が何をされているのか理解できていないようです。
あの頃の綺麗な女性の面影はありません。
旦那さんも80歳をとうに過ぎています。受け答えはしっかりされているのですが、自ら車を運転し妻を送迎していたのです。
老夫婦二人の生活で、近くにお世話してくれる方はいないようでした。自宅で出来る洗浄方法を説明するのですが旦那さんが行うのには不安があります。
しかし、遠方から車を運転し通院するのは危険だと感じます。何回も「毎日綺麗に洗って」と説明しますが、「バイ菌が入ったらどうするのか?」と心配されるのでした。
清潔を保つために水で洗ったり入浴をする事をお伝えするのですが、 ”濡れたら感染する” と思い込んでいます。救いなのは、平日は介護施設のディサービスを利用されていたので、そちらで対応してくれるようでした。
また数日後
80代の男性がシャツとズボン下姿で受診されました。
転倒したようで唇が裂けて腕や顔面は皮下出血(青タン)や傷が多数です。状況を伺うのですが答えがあっちこっちで把握できません。町内会長をされ紳士的な方だったので、変わりように驚きを隠せませんでした。
処置を終え今後どうしようかとなり、ご家族へ連絡するのですが娘さんは遠方で直ぐには来れないとの事。食事はどうしているのかと尋ねると、一人暮らしで惣菜を買って生活していると話してくれました。
このまま自宅に帰えす事は出来ません。ソーシャルワーカーが間に入り一泊入院となりましたが、待っている間に吊るしていた点滴を外してバックに詰めて廊下を歩きだします。
「オット! どこに行くんですか? お買い物ですか?」と動きを止めると
「家に帰ります。玄関に車を停めているので。」・・・?
入院の準備ができるまで一旦ベッドに休んでいただくのですが、体力はあるため歩き回ります。昼食を提供すると完食し本当に元気なんですよ。
翌日に娘さんのお迎えを予定していたが、娘さんから「自分たちは世話出来ない。自分のことは自分でやって欲しい」と拒否されたそうです。
そう言わざる得ない家族の問題があったのでしょうか? なんか可哀想と言うより哀れさが湧きあがります。
今後、家族関係が脆弱な家庭は増えて行くのではないでしょうか。認知症を発症した本人は辛く強い恐怖を感じていると学びますが、対応しているご家族の負担を考えるとしんどいと思います。
私の母親は91歳で今でも料理を作り元気に生活しています。なんでもない事でしょうがこの状況に感謝しかありません。
お〜い、ばーさん大丈夫だよ!ボケても寝たきりになっても私が守るからね❣️❣️
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